ヨコミネ式 自立する子どもの育て方

2017年6月30日に、ヨコミネ式でおなじみの横峯吉文先生の講演が、こだま幼稚園つくしの会主催で、こだま幼稚園ホールで行われました。
 
【講演要旨】
・できない子なんていない!ダメな指導者と親がいるだけ。
・親の言うことを聞かないのは、甘やかしているから。
・ガミガミ言うかわりに、無視すればいい!
・悪い習慣を良い習慣に変えるのが子育て。
・やる気は小さな成功体験の積み重ね
・勉強する子に育てるには、毎日の読み書き計算が有効。
・人が幸せを感じるのは、人に感謝されること。親の手伝いをさせよ。
【講演内容】
子育てには厳しさが必要
 
甘やかして育てている親が多いから、子どもが言うことを聞かなくなる。
この中で自分の子どもを叩いたことのある人はいる?(大多数が挙手)
そうでしょ、言っても言っても聞かないから、どうしようもなくなって手が出るんでしょ。
しょっちゅう叩いてはだめ。ここぞというときにビシっとやる。
 
いくら言葉で言っても聞かないから手が出る。
ガミガミ言うからかえって言うことを聞かなくなる。
子どもに言うことを聞かせたかったらどうしたらいい?
黙ればいい。無視する。それも2日くらい。
これは効き目抜群。
お母さんは、お父さんによくやってるでしょ?
あれを、子どもにもやればいい。一発で言うことを聞くようになる。
 
可愛い可愛いと育てて良いのは0~1歳の間だけ。
2歳過ぎたら自立に向けて突き放すことも必要なの。
3歳になったら、「今のは100点!合格!」「50点!やり直し」でいい。
褒められることをしたかどうか自分でわかっている。
 
子どもが走って転んだら、「あら、かわいそう」と駆け寄るでしょ。
泣かせればいいんですよ。
うちの保育園では、毎日やっているかけっこで転んでも、誰も助けに行かない。
泣いても行かない。
そうすると、しばらくしてバツが悪そうに立ち上がってみんなと一緒に走り出す。
それからは2度と転んでも泣かなくなる。
子どもは学習するの。
 
それから泣くのも脳に血流が集まるので、悪いことではなく子どもの成長に必要なこと。
無視したら子どもがかわいそう、子どもに悪いなんて思っちゃダメ。
悪い習慣を良い習慣に変えるのが子育てでしょ。
幼い子は心が傷つくことはないの。
ケロっと忘れる。立ち直りが早い。
寝ている間に都合の悪いことは忘れてしまう。
今のうちにしっかりしつけないと、将来に禍根を残すよ。
 
子どもが泣いてるといたたまれないでしょ。
そうしたら隣の部屋とかトイレにこもってしまえばいい。
お母さんがいなくなったら泣き止むから。
子どもはね、教えて学ぶのではなく、経験から学ぶの。

 
やる気は成功体験の積み重ね
 
うちの保育園では、かけっこのときには、誰でも必ず1番を取らせる。
年齢や能力に合わせてハンディキャップをつけて、誰もが1番にゴールできる可能性をつくっている。
3歳児が5歳児に勝つことだってある。
ズルだと言うかもしれないが、子どもはそんなことは気にしないの。
どんな形でも1番を取れば素直に喜んで輝く笑顔を見せるから。
 
ヨコミネ式をスパルタだと思っている人が多いようだけど、スパルタじゃないよ。
子どもを川に投げ込む動画を見て、スパルタだと思う人がいる。
あれは、全員プールで15m以上泳げるようになってから、次のステージに上がるためにやっている。
泳げない子を投げ込んでいるのではないの。
1,2回で自分から泳ぐようになることを知っているからやっている。
子どもに超えられるハードルを用意してやり、それを超えたら成功体験になるでしょ。
やり遂げた子どもは実に素晴らしい顔をする。だからわかってやってる。

 
生活習慣が大事
夜更かしはだめ。子どもは8時に寝て6時に起きるように。
夜スマホが一番ダメ。
秋田では宅習という家庭学習の習慣をつけて、学力全国1位になった。
だから、今のうちに学習の習慣をつけることが大事。
 
読み書き計算を自学自習で毎日30分やる。
読み聞かせの逆で子どもに本を読んでもらえばいいの。
「おかあさんに読んで聞かせて」と言えば、子どもは喜んで読んでくれる。
 
学習机ではなく、小学校で使っている机の中古品を買うといい。
リビングにあの机を置く。
国語の教科書を机に座って声を出して読ませる。
毎日やることが大事。
教えようとするな。
押しつけるとやる気を失うから。
 
できる子とできない子の差はあるが、できない子は時間が必要なだけ。
時間をかけてやれば出来るようになる。
できる子は、やるべきことをやっているからできる。
できない子は、これまでやってなかった時間をかければ必ず追いつく。
学校の授業だけで間に合わなかったら、家庭学習に時間をかければいいの。
勉強前に運動をすると、なお効率が上がる。
足トレがお勧め。小学生なら1分間に100回できる。1日3回。朝・学校から帰って・宅習前と毎日3年間続けたら、足がめちゃめちゃ速くなる。
怪我もしなくなる。
これを続けていたら壁逆立ちも全員できるようになる。
  
 
心の育て方
 
東日本大震災で日本人の行動が世界中の人に感動を呼んだ。
あれだけの衝撃的な出来事があると、大人は素の姿が出る。
度々災害にあってきた日本人は助け合わないと生き残れなかった。
だからそういうスイッチが入って行動した。

大人はそういうことがないと変われないが子どもは変わる。
人は、人から感謝されるときに幸せを感じる。
子どもにもその経験をさせればいいじゃない。
かあちゃんの手伝いをさせると子どもは喜ぶのよ。
 
うちの保育園では、子どもたちが隅々まできれいに掃除をしている。
子どもがしっかり絞れる100均で売ってる○○ファイバーの雑巾を使っている。
おとなになってから自立するのではなく、3歳も3歳なりの自立があるの。
  
 
落ち着きがない子が増えている
 
生まれつきではないとすれば、どうすればいいのか。
それにはやっぱり読み書き計算がいいの。
じゃあ1歳半、2歳はどうするか?
粘土遊びがいいよ。
机に座って粘土をさせる。
粘土で遊ぶ作業に集中して座る習慣をつける。
「はじめ」と「おわり」の号令をかけて、終わったら机をきれいに拭かせる。
毎日これをやったら、宅習の習慣がつくでしょ。
 
 
【質疑応答】
 
Q.粘土遊びは手本を作って見せる必要がありますか?
 
A.ほうっておいていいの。構わないで遊ばせる。
 
Q.宅習が嫌いな娘。宿題をやっていかない。家で勉強したがらない。
 
A.宿題をやらないなら、教科書だけ読ませる。これだけでいいから毎日やると約束して、1年生の教科書から初めて、お話のところだけ読ませる。
1年間で6年まで終わるから、そうしたら学校の宿題もやるようになる。
漢字も教えなくて良い。辞書の引き方を教えて辞書を渡す。まず、読みから。書きは後。興味を持ってやりだしたら漢字検定が良い。
級が上がればやる気も出る。
 
Q.毎日決まった課題を学習する約束しているが、いやいややっていて時間だけが過ぎていく。
 
A.やっぱり良い教材を選ぶこと。できることからやらないとやる気が出ない。足トレをやってから勉強するとやる気が出るよ。脳に酸素を送るから。試してみて。
 
Q.劣等感の塊の息子。競争することが嫌い。どうしたらよいか。
 
A.足トレをやってみて。運動が成功体験への近道。足が速くなるから毎日やらせて。
現状を変えてやらないと劣等感がなくならない。
1回の成功体験で子どもが変わった例がある。テストでみんなが上位に来るようにくふうしているが、どうしても真ん中から上にいけない子がいた。
その子のためにテスト1週間前から、テストに出る問題を2題ずつ勉強した。当然テスト本番でも良い成績を収めて上位になった。それからその子は4年生でそろばん1級をとった。
ズルしてもいいの。子育ては、あの手この手、何でもあり!
 
Q.2歳の娘。ボタンの着脱を練習しているが、できないと仰向けになってわめく。
 
A.かんしゃくを起こして言うことを聞かなかいとき、わたしだったら1っぱつバシーンと2mくらい飛ぶようにはたく。
イクメンとか言ってないで父親がここぞというときに叱るのは効果的。
良いお母さんになろうと思わないこと。
子育ては適当にやれば良い。
ダメなことはダメ。
やるべことはやらせる。
これが大事。

横峯先生プロフィール

横峯吉文 1951年3月1日生まれA型(たまにB型)
鹿児島県志布志市に社会福祉法人純真福祉会「通山保育園」を設立。
現在は3つの保育園と「太陽の子山学校演習場」、「太陽の子児童館」の理事長。
卒園までに園児全員が逆立ちで歩いたり、5才児で漢字が読み書きできたりと、そのユニークな「ヨコミネ式」子育ては全国的に話題となり、カリキュラムとして採用する保育園、幼稚園が急増している。女子プロゴルファー横峯さくらの父・良郎氏は実弟
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