日本はなぜアジアの国々から愛されるのか

懸命に生きる人々~日本人こそ学んで欲しい~

【池間哲郎先生講演要旨】
世界にはきれいな水が手に入らず、汚れた水で生活していて子どもがどんどん死んでいく国がたくさんある。また、食べ物を手に入れるために朝から晩まで働く子供たちがいる。そうした国の人々から日本人は尊敬されている。それを知り、子供たちに自信と誇りを持って生きていって欲しい。(池間先生の詳しいプロフィールは文末にあります)
 

日本のことを知らない日本人

私は映像制作会社を経営するかたわら、アジアの子供たちのために支援活動をしている。これまで1000校以上の学校でお話をしてきました。
 
主だった国世界20ヶ国での調査がありました。日本の子供たち「あなたは学校の先生を尊敬しますか?」の質問に、21%がイエスで断トツ世界最下位です。下から2番めの国でさえ70%を超えているのに。世界平均は80%を超えています。教師を尊敬しない国家は必ず滅びると言われています。
 
同じく「あなたは両親を尊敬しますか?」の問に、日本の子供は、わずか25%が尊敬すると答えました。世界平均は90%。日本の子供たちは尊敬すべき人達を尊敬できなくなっています
 
それは大人の責任。自信のない子が多いです。海外に出ている子供たちを大勢見ていますが、日本人であることを隠す若者が増えています。「海外の人からよく思われていない」、「アジアの人達から嫌われている」と思っている子が多いからです。これは彼らがそう思わされてきたためで、特に日本の隣の3つの国が徹底的に反日教育をしています。
 
しかし他のアジアの国々は日本が大好き。アフガニスタン・パキスタンの人々は恐ろしいくらい日本人を尊敬しています。インド・ネパール・スリランカの人々は日本を信頼して愛してくれています。ベトナム・タイ・カンボジア・ミャンマーでも日本を尊敬しているのです。
 
200回近くアジアの様々地域に出かけて行って、観光地ではない土地で人々と触れ合ってそう感じています。私は沖縄出身で色も黒いし顔立ちもフィリピン人などに間違えられるから、日本人であることを隠して聞いて回りましたが、日本を悪く言う現地の人はほぼゼロ。悪口をいうのは、かつて白人と一緒に日本と敵対した中華系の人達。
 
でも、元々その土地に暮らしていた人達はみんな日本が大好き。日本に感謝している人達がいっぱいいます。おじいちゃん、おばあちゃん、日本が白人を追い出してくれたという人達がたくさんいます。でも、そんなことを誰も日本では教えてくれません。まずお母さんたちが、日本は素晴らしい国だと自信を持って下さい
 
東日本大震災が起きた時に、すぐに戻ってきて被災地で支援活動を始めました。すると、あれだけの被害を受けてみんな大変な時に、日本の人達は列を作って物資を受け取るために並びました。小さい子供が寒さに震えながら並んで待っていました。しかし泣き出す子はいませんでした。
 
支援のために何をしたら良いか決めようと、避難所の人達に聞くと、多くの人が自分たちより困っている人達を先に助けてくれと言いました。これは凄いことです。海外で騒乱に巻き込まれたことがあるからよくわかりますが、海外でこうした災害が起きると、暴動や略奪などがすさまじい。個人主義でみんな自分が大事。
 
ネパール地震の様子が報道されているけれども、テレビには映らないところで奪い合いが生じています。支援物資の取り合い、殴り合いが起きるのです。日本とは全く違う。日本だけがそんなことにならない珍しい国。
 
高校生にこの話をすると、子供たちの背筋がピンと伸びてくる。日本人として誇りを持って欲しい。自分の国に誇りを持たない人間を、世界では誰も相手にしません

世界の国々の貧しい人達の暮らし

■ミャンマー
 
軍事政権下で非常に難しい状況におかれています。ミャンマー人は子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、みんな日本人が大好き。100年以上イギリスの支配にあり、多くの人が虐殺されました。それを日本がミャンマー人と一緒に戦ってイギリス人を追い出したことを、みんなが良く知っているから日本を尊敬しているのです。
 
軍事政権下で田舎の村に入ることは許されないのですが、助けてくれと呼ばれたのでこっそりと村に入りました。彼らは水に困っていた。人間が飲めるようなきれいな水がありません。汚い川の水を汲んで調理に使う。井戸を掘るのも道具と技術がないので浅い井戸しか掘れず、きれいな水が出ないのです。
 
雨季の半年間は雨水を水瓶にためて飲みますが、ボウフラが湧いています。乾季は水量が減ってさらに汚い泥水を飲むしかありません。だから水を介して病原菌に感染して子供たちがどんどん死んでいきます。腸チフス・赤痢・コレラなどが蔓延しています。
 
深い井戸を掘ってきれいな水が出ると子供たちが驚きます。「こんなきれいで透明な水は見たことがない!」と水浴びを始めます。どこへ行ってもそう。もちろん、おとなたちも驚くほど喜びます。井戸ができたことで村をあげてのお祭り騒ぎ。村中から日本の人にお礼を言いたいと集まって来ます。
 
水質は子どもの命に直結します。泥水を飲んでいて病気にかかったら赤ちゃんは一発で死んでしまう。子どもの致死率が高いから、子沢山になるのです。きれいな水が安定して飲めるようになると、子どもの死亡率が極端に下がり、子供の数は減ってきます。
 
日本人があたりまえだと思っているきれいな水を手に入れることが世界では難しい。11億を超える人が汚い水しか飲めません。15秒に1人の子どもが死んでいきます。
 
きれいな水が手に入り、なんとか食べるものもあるとなれば、次に必要になるのは教育です。そこで私たちは田舎の土地に小学校を建てることにしました。貧しい国では地域でお金を出し合って校舎を立てたら国が教師を派遣してくれます。お金がないと学校はできないのです。道がないから建築資材が車で運べません。そこで村の大人からこどもまで総出で作業して完成に漕ぎつけました。
 
ミャンマーの英雄アウンサン将軍が日本に留学したことを誰もが知っています。だから、アウンサン将軍のように日本に留学していっぱい勉強してこの国のリーダーになりたいと願っています。ミャンマーの子供たちは、先生や親の言うことを聞く時には、ピシっとした姿勢で聞きます。大人を敬うことを知っているから。鉛筆やノートを手に入れることが大変。何も持たない子どもは、先生の言うことを聞き漏らすまいと真剣に授業を受けます。
 
家に帰ると子どもは家の仕事をします。途上国ではお手伝いはないのです。みんな「私の仕事」と言います。家事を分担しない国は世界中で日本だけ。どんな仕事でもよいから、子どもに役割を与えるべきです。
 
~以下、ラオス・カンボジア・タイ・ネパール・某国と続きますが、ここでは割愛させていただきます~

日本を知って日本人としての誇りを取り戻そう!

私がなぜこの運動をしているのか。こうした人達の笑顔を見るだけで十分なのです。人を愛することがなぜ大事かというと、それは命が生きるからなんです。誰かを助けてあげる、やってあげているという気持ちはゼロではないが、子供たちや人々から人間として大事なことを教えてもらうためにやっています
 
自分は弱い人間だから、辛いことから逃げたい楽をしたい。でも、こんな子供たちを見たら、そんなことは言っていられないでしょう。自分の腕の中で亡くなった子供たちを思い出して、今日もちゃんと生きていこうと毎日誓っています。
 
教え子は2千名を超えています。多くの若者を見てきていますが、子育てで、子どもを溺愛・過保護にしては絶対にダメ!!感謝を知らない大人になります。なんでも、やってもらうのが当たり前と勘違いします。
 
感謝こそ生きる力。感謝知らずは幸せを感じない人。愛情には厳しさが伴います。親は子どもに好かれようとしないこと。子供を自立した大人にすることが親の役目です。
 
こうした運動をする時に気をつけていることは、相手のことを理解することです。余ったものをあげるのではなく、大切なものを分けるという気持ちが必要です。だから、個人的な(物質的な)感謝は一切受け取りません。受け取ると傲慢になってしまいます。
 
子育てにおいて一番大切なことは何でしょうか?それは、お父さん、お母さんが真剣に生きる姿を子どもに見せることです。
 
日本人は、あまりにもわからないことが多すぎます。
 
日本人はアジアから嫌われていない、好かれているのに。
 
日本が卑怯な手段で真珠湾攻撃をしたと教えられていますが、戦争を避けようとして努力したにも関わらず追い詰められて戦争をしたのです。
 
歴史で習った大航海時代はウソ。大虐殺時代と言うべきです。マゼランやコロンブスは船で乗り付けて、現地人を虐殺しまくりました。世界中がそうでした。
 
アメリカでも94%のネイティブアメリカンが殺されました。彼らは誇り高く日本人と似たところがありました。有色人種は家畜と同じ扱い。だからオーストラリアではアボリジニを狩りとして殺しました。有色人種が自分の力で自分を守ったのは日本だけです。
 
欧米人は植民地を支配するのに、現地の少数民族を利用して間に立たせて支配しました。日本人は学校を建て、現地人に教育をほどこし、一緒に国を動かしていたのです。
 
だから、日本の植民地時代を知っている、東南アジアのおじいちゃんおばあちゃんたちを探しまわって、聞きまわりましたた。すると、日本人の悪口を言う人は、ほとんどいません。もちろん中にはひどい人間もいたことは確かです。でも、それはごく一部。
 
ラオスの山奥で聞きました。日本人は軍規も厳しく、まるでみんなお坊さんみたいだったと言います。ところがフランスの植民地時代のことを聞くと、言葉を荒らげて「あいつらはひどい」と大声で言うのです。
 
パラオという太平洋のミクロネシアにある国をご存知ですか。パラオはスペイン統治時代に虐殺と持ち込まれた天然痘で90%のも口が減りました。第一次世界大戦後日本が国際連盟から委任されて統治しました。侵略したのではありません。多くの日本人が移り住み、インフラを整備して現地の子供たちも学校で教育をしました。今でも多くの日本語がパラオに残っています。
 
太平洋戦争のペリリューの戦いで日米両軍に多くの戦死者を出したが(日本軍は全滅)、パラオの民間人の死者はでませんでした。現地人を巻き込まないようにしたから。パラオの守備には高崎の第十五歩兵連隊があたっていたのです。だから、今でもパラオは世界一の親日国
 
日本の子供たちには、こうしたことを知って誇りを持って欲しい。誇りを持つと腹が座る。腹が据わると覚悟ができます。お父さんお母さんの役割は、自立した子どもを育てること。お父さんお母さんが毎日真剣に生きることが大切です。

講師紹介  池間 哲郎(いけま てつろう)
講演テーマ
『懸命に生きる人々~日本人こそ学んで欲しい~』
 
プロフィール

1954年 沖縄県生まれ。幼少期は沖縄本島北部の自然豊かな本部町で過ごす。米軍統治下時代のコザ市内へ中学進学直前に転居、米兵の闊歩する基地の街で多感な青年期を過ごす。サラリーマンを経て29歳の時に映像制作会社を設立。会社経営の傍ら、カメラマンとして訪れた台湾で知った山岳民族の貧困と人身売買問題をきっかけに、1987年から10年以上にわたり個人的にアジア各国のスラム街やゴミ捨て場等貧困地域の撮影、調査、支援事業を手掛けてきた。1999年に設立した任意団体は2002年にNPO法人、2014年10月には認定NPO法人としての認可を受け、現在まで、経営者、カメラマン並びに当団体の代表理事を務めている。3000回を超える全国の講演会では、自らの映像を駆使してアジア途上国の貧困地域に生きる人々の姿を通して、一生懸命に生きることの大切さ・感謝の心・命の尊さを伝えている。沖縄大学非常勤講師として受けもつ「国際ボランティア論」は真剣勝負の講義として学生からの評価が高い。
 
職業・役職 カメラマン、一般社団法人 アジア支援機構 代表理事 沖縄大学非常勤講師 映像制作会社JAN代表 認定NPO法人アジアチャイルドサポート 代表理事
 
受賞歴
2001年12月  西日本銀行 国際財団アジア貢献賞
2005年3月  文部科学大臣奨励賞
2009年5月  カンボジア王国 外国人最高勲章
2011年3月  Yonaoshiボランティア『赤いかお』下町平和賞(東京都)
他、沖縄タイムス国際賞、琉球新報社会活動賞、地球倫理推進賞等
 
主な講演先
県・市町村の教育委員会、教育関係者、教職員研修、厚生省シンポジウム、医師会、経済団体、PTA・PTA連合会、社会福祉協議会、福祉団体、国際協力団体、市民の集い、青少年健全育成団体、保育団体、民間企業(基調講演・社員研修)、小・中・高校、専門学校・大学など
(H26年12月現在、講演件数は3000回以上、写真展も1200回を超えている)
 
著作(詳細は別紙参照)
「懸命に生きる子どもたち」講演録 JAN制作
「あなたの夢はなんですか。私の夢は大人になるまで生きることです」  致知出版
NHKラジオ深夜便 「“大人になるまで生きたい”その言葉が私を変えた」 番組収録CD
「最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きること」 現代書林「モンゴル 風と泪」(写真集) JAN制作
「アジアの子どもたちに学ぶ30のお話」 リサージュ出版
「日本はなぜアジアの国々から愛されるのか」 育鵬社
 
主な教科書・メディア掲載など
6年生の道徳 文溪堂  
総合歴史、新しい公民、Watching2NEWS 浜島書店出版               
ほんとうの『国語力』が身につく教科書 問題文として引用
月刊致知 2004年1月号 インタビュー記事掲載
少林寺拳法 会報誌 2007 6月号 インタビュー記事掲載   
更生保護 2011年10月号 ~随想~ エッセイ掲載
その他 多数
 
主な出演番組
株式会社TV静岡 テレビ寺子屋(平成24年、25年出演。全国23局にて放映)
TBS系列    3年B組金八先生で著書「あなたの夢はなんですか~」が取上げられる
NHK放送    ラジオ深夜便   ~大人まで生きたい~その言葉が私を変えた
神奈川テレビ  佐藤しのぶ 出逢いのハーモニー
テレビ朝日   テレメンタリー
大阪毎日放送  ボランティア21 
琉球朝日放送  開局10周年記念特別番組 
琉球朝日放送 夢は大人になるまで生きること ~NGO沖縄アジアチャイルドサポートの活動から~
特別番組 沖縄とモンゴル3000kmを結ぶ絆 ~モンゴル、カンボジアでの活動から~
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