わが子をメシの食える子どもに育てる

花まる学習会の高濱先生による「父親だからできること」という講演会で、とてもよいお話がありましたのでご紹介します。
 
父親だけの講演会での話でしたので、ぜひお父様方にお読みいいただきたい内容です。

父親だからできること

20年以上教育に携わってきて感じることがある。それは弱々しい男の子が多いということ。
 
特に長男は優しいが、生命力がない。およそ大学を卒業して飯が喰えなさそうな子どもばかりが目立つ。
 
ニートは統計上で160万人いるが、統計には現れない数字はこの何倍かだ。
 
22歳以降に自立できる子どもを育てることが親の役目。
 
今は子どもにまつわるいざこざがすぐに事件化してしまう。
 
親がケンカに乗り込み、子は友を失うという言葉通り、学校で何かあるとすぐに親が出てくる。
 
子ども、特に男の子は喧嘩しても翌日はあっけらかんとしているもの。
 
母親はうじうじ君が嫌い。でも男はいつまでも子どもで夢見がち。そこでついキツイことを言ってしまって、母親が男の子の角を折ってしまう。
 
だから父親が、男はそんなもんだと言い続けることが大事。男の子の気持ちがわかるのは父親なのだから。

母とむすめが思春期に仲良くなること

小学校高学年になってくると女の子は思春期の始まり。子どもではなく別の人格として接するようにしたい。
 
例えば新人OLだと思って先輩から色々教えると良い。思春期の女の子の関心は自分の人生の幸せにある。
 
だから母親の人生に興味津々。それを聞かせてやる。
 
この時期に適度な距離感を持った母娘関係ができると、一生続くもの。その後の人生で壁にぶつかっても、実家に帰って母親と話すことで乗り越えていける。
 
実の母は最高のカウンセラーなのだ。また、そのような娘は円満な家庭を築く力がある。
 
母親がニコニコしていたら子どもは育つ

母とむすめが思春期に仲良くなること

社会的に成功した人達と接する機会が増えたが、彼らの話を聞くと共通点がある。それは母親の話をすると笑顔になることだ。
 
聞いてみるとみな一様に、家庭内で母親がいつもニコニコしていたと言う。母親の笑顔が絶えない家庭で育ったことが共通点。良い母親像を持っている人が立派に育つ。
 
だから夫の役目はイクメンになることではない。母親が笑顔でいられるように全力でサポートすること。
 
そのために家事に手を染めるのは良いが、それが主目的ではない。母親にとっての一番のストレスは子どもが思うようにならない時。
 
だからこどもとしっかり向き合って、幼い時には全力で遊んでやることが父親=夫の役目だ。
 
花まる学習会では親子参加の様々なイベントを開いているが、父と子が一緒になって楽しんでいる姿を見ているお母さんは、みんなニコニコしている。ここが原点であるべき。

男の遊びが大切

ある時引きこもりに共通点があることに気づいた。引きこもりの95%が父親と遊んだ経験がない。母親も子どもと遊ぶが、上品な遊びしかしない。
 
男の遊びはダイナミックでスリルがあるもの。照れや衒いを捨てて、全力で遊ぶことが子どもを伸ばす。炸裂した父親を見せること。
 
こどもはそんな父親を「すごい!」と尊敬するもの。決してスーツを来てパソコンを叩いている姿に感動するわけではない。子どもの尺度は遊びが基準。

具体的な事例

ある時、運動会が嫌だという子どもがいた。話を聞いてみると「ぼくは足が遅いから、走り方をみんなにからかわれるので運動会に出たくない」というのだ。
 
その話をお母さんにした。するとお父さんが「俺も子どもの頃に足が遅かった。そのかわり長距離は得意だった。お前もお父さんの子だから持久走でがんばれるんじゃなにか。明日から一緒に走ろう」と言い出した。
 
それから毎日、始めは5分から、だんだんと時間を伸ばして小学生の間中一緒に走った。その後彼は5年生で駅伝の選手になるほどに成長した。
 
こんな風に子どもと全力で向き合うお父さんは素敵だ。
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